156/Silence「Irrational」(2020)

US・ピッツバーグのメタルコアバンドの2ndアルバム。

アートワークはBen Hoaglandが担当!!

今年の顔!!こと、Code Orangeの本拠地としてもお馴染み、ペンシルベニア州ピッツバーグから出てきた期待の有望株、156/Silence(ワン・ファイブ・シックス・サイレンス)。ペンシルベニアのハードコアシーンに精通しつつ独自のサウンドで注目を集めている新世代ハードコアバンド。

注目を集めた前作「Undercover Scumbag」以来、2年ぶりのリリースとなる2ndアルバム「Irrational」は、ビートダウン・ハードコアのスタイルに90’sカオティック・ハードコアニューメタルの要素をミックスした独自の音楽性で、感情を爆発させるハードコアサウンドと内に籠るような内省的なパートが共存した奥深いアルバムだ。特に、Jack Murray(ジャック・マレー)による内省的な世界観感情むき出しの咆哮、クリーンによるどこか悲しげなボーカルスタイルは圧巻!!DeftonesチノKornジョナサンにも似た独特の存在感を放っている。ハードコアを基軸に、90’sカオティック・ハードコア&ニューメタルインフルエンンスの独自のサウンドを鳴らしているという意味では、Chamber、Knocked Loose、Thirty Nights of Violence、Veinなどと通ずるものがあると思う。

プロデュースとレコーディングはWeekend NachosAndy Nelsonが担当。マスタリングはFull of Hell、GatecreeperBrad Boatrightが担当。

元々、自主制作でリリースしたこのアルバムだが、先日、オレたちの!!<SharpTone Records>と契約!!新たに、新曲2枚+カヴァー曲を追加して<SharpTone Records>からのリリースとなった!!新たなスタートを切った156/Silence。今後の活躍から目が離せない!!


メンバー

・ Jack Murray(ジャック・マレー) :Vocal

・ Jimmy Howell(ジミー・ハウエル) :Guitar

・ Ryan Wilkinson (ライアン・ウィルキンソン) :Guitar

・ Kyle O’Connell(カイル・オコンネル) :Bass

・ Max Bradshaw(マックス・ブラッドショウ) :Drums

楽曲紹介

01. High Dive In a Low Well

02. God’s Departure

03. Taste of Ashes

04. Upset / Unfed

05. Lost Visual

06. Problem Addict(feat. Andrew Hileman)

07. Conflict of Interest

08. By a Thread (I Suspend)(feat. Matthew McDougal )

09. Irrational Pull

10. Denouement

11. Vexation

12. No Angel

13. Them Bones(Alice in Chainsのカヴァー)

#1 左右から流れ出すギターノイズと不穏な歌声。もう危ない雰囲気たっぷりの冒頭。息つく暇なく叩き込まれるバンドサウンドはとにかく重く、独特のリフやノイズ、ヘイトを撒き散らすボーカルは、どことなくKornからの影響を感じる。

#2 ハードコア由来のアグレッションで終始キメを叩き込む。ブチギレシャウトの裏で弾かれるメロディアスなベースプレイが妙な存在感を放っている。

#3 激情型ハードコアみたいなアレンジが熱い#3。終盤の極悪ビートダウンはダウンテンポ系デスコアとか好きな人にも聴いてほしい!!

#4 トチ狂ったカオティックなギターフレーズにSlipknot又は、ConvergeBotchなどのカオティック・ハードコア勢からの影響が感じ取れる。

#5 クリーンギターによる不気味なフレーズが印象的な#5。ニューメタル的なシックな空気を感じてしまう。

#6 若干速めのテンポ感がカオティックさを演出している。ニューメタル +デスコアといった趣きの曲。ギターフレーズはカオティック・コア勢からの影響も感じられるが複雑さは全くない。

#7 病的な音の出し方、音の重ね方が抜群に上手い!!ダウナーで病的なフレーズを絡めたリフが妙に印象的。

#8 大きくリズムをとる冒頭から、ハードコアアグレッション全開のツービートパートへの流れは熱く、思わず拳を上げてしまう。終盤に登場する沼に沈むような極悪ビートダウンが最高にカッコ良い!!

#9 カオティックなリフからシックで冷たい空気感を作り出しているクリーンギターパートへの流れは妙にB級ホラー感があって心地よい。やはり辿り辿ればSlipknotKornあたりからの影響だろうか

#10 B級ホラー感たっぷりの不穏なSEからエグめのリフを挟み、まるでKornのジョナサンとDeftonesのチノの中間を行くよう悲しげなクリーンボーカルが響き渡る。激しい感情の起伏ともに渦巻くバンドサウンドに圧倒される。

#11 90’sカオティック・コア勢を想起する狂った不穏なギターリフが印象的。ハードコア由来の攻撃的なアグレッションとクリーンギターによる内省的なアプローチが同居し、奥行きのある楽曲となっている。 

#12 クリーンギターによる内省的なサウンドをバックに終始、喉から血を噴き出さんばかりの絶叫を繰り返す。溢れ出るフィードバックノイズや轟音のギターの壁はConvergeやKart Ballouプロデュース作を彷彿とさせる。

#13 Alice in Chainsのカヴァー。Code Orangeも以前、Alice in Chainsのカヴァーをしていたが、ダークサイドを表現するバンドにとってAlice in Chainsの存在は我々が思っている以上に大きいのかもしれない。ザクザクとしたギターリフは原曲に忠実、陰鬱なムードやキャッチーなサビは、爆発的な激情で塗り替えた印象。