Synovial「Songs of Silver」(2020)

2020年12月3日

シカゴ出身のプログレッシブ・メタルコアバンドの2ndEP。

アートワークはStoic Digitalが担当!!

シカゴ郊外出身のプログレッシブ・メタルコアバンド Synovial(サイノビアル)。17年7月に結成。同年12年にリリースしたデビューEP「Triage」以降、「525」(18)、「Aliens」(19)、「No Known Suspects」(20)とシングルを挟み、まとまった作品集としては3年ぶりとなる今作、2ndEP「Song of Silver」。ミックス・マスタリングは、Between The Buried And Me、The Contortionist、Scale The Summitなどを手がけたJamie King。この手のジャンルでは多弦ギターが主流になりつつある中、彼らは6弦ギターで手元のニュアンスがきっちり伝わる音になっている。プログレッシブであったり、カオティックな展開が多いバンドだが、適度な歪み具合で、分離感が良く、最近流行りのデスコア的なヘヴィさではないので、疲れずにじっくり聴ける。また、楽曲は変幻自在に変化していくが、基本的に巧みなコーラスアレンジや繊細なボーカルワークを大事にしたアレンジなので、比較的聴きやすい音なのではないかと思う。因みに今作はプログレッシブな方向に舵を切っているが、よりブルータルな曲を聴きたい方は、デビューEP「Triage」がオススメ!!

Invent, AnimateNovelists FR、Protest the Hero、Sikthなどメロディアスかつテクニカルなプログレ要素を持ったバンドが好きな人にオススメのバンドである!!


メンバー

・ Kamil Cebula(カミル・セブラ) :Vocal

・ Josh McKenney(ジョシュ・マッケニー) :Guitar/Vocal

・ Dylan Rehner(ディラン・レーナー) :Guitar

・ Chris Rodriguez (クリス・ロドリゲス) :Bass

・ Ross Robbins(ロス・ロビンス) :Drums

楽曲紹介

01. No Known Suspects

02. Next Exit

03. Meanwhile

04. Empty Circles(Reprise)

05. Barren: Garden

06. Barren: Wasteland

07. Happy Family

#1 夢の中に迷い込んでしまいそうな不穏なシンセパートからブラストビートとリフの波状攻撃。若干ゴシック的な雰囲気のあるゆったりとしたクリーンボイスパートが非常に印象的。コーラスも重ね楽曲に奥行きが生まれる。一筋縄ではいかないプログレッシブな展開はクセになる。

#2 テープノイズから#2へ。枯れた味わいのポストロック風ギターの繊細なアプローチからビートが入り楽曲は徐々にドライヴ。ヘヴィなリフによるマスロック的なアプローチで曲は一気に走り出す。ヘヴィ度合いは、メタルというより、ポスト・ハードコア的な色合いが強い。テクニカルなフレーズを要所要所でサラッと決めながらも情感がしっかり感じられる。終盤に作られたサビからアウトロの着地の仕方が綺麗だ。

#3 何曲分あるんじゃ?ってくらいジェットコースターのように曲調が展開していく。カオティックな展開の中でも歌を大切にしているのは彼らならでは。

#4 トラックをバックに歌のみの曲。ボーカルグループ並みに聴かせる歌はお見事!!

#5 単音リフでのアプローチが楽曲の世界観を作り出している。特にメカニカルなギターフレーズが楽曲のミステリアスさに拍車をかけていく。Djentリフや不可思議な効果音など、どこか迷宮に迷い込んでしまったような不安感とワクワク感を感じることができる

#6 不協和音系のリフはDillinger Escape PlanSikthを彷彿とさせる。Dark Tranquillity風味のトレモロリフや初期メタルコア風のフレーズなどニヤッとするようなパートも多々あり。

#7 ギターのロングトーンが木霊する中、優しいタッチのアルペジオは妙にホッとする。音のレベルに変化をつけることで、まるで音が生きているかのような躍動感を感じる。暖かい音に包まれるようなイメージ。