Spotlights「We Are All Atomic」EP(2020)

ニューヨークはブルックリンを拠点に活動するスラッジ・ゲイザーバンドの5thEP。


ニューヨークはブルックリンを拠点に活動する、Quintero(キンテロ)夫妻によるスラッジ・ゲイザーバンドSpotlights(スポットライツ)16年、DIYによりリリースされたLP「Tidals」を聴いたAaron Harris(ISIS/Palms)、そしてPalmsVoでありDeftonesVoChino Morenoに見出され、Deftonesのサマーツアーに参加。その他にも、Melvins、Quicksand、Hum、Glassjaw、Pelican、Pallbearerといったバンドとステージで共演している。

Faith No Moreのフロントマン、Mike Patton主催レーベル<Ipecac Recordings>と契約し、17年には、デビューアルバム「SEISMIC」をリリース。Aaron Harrisがプロデュースを担当。前作の大ファンであったAaron Harrisからの提案によるコラボレーションという側面が強いようだ。

彼らの音楽性は、ドゥームメタル・スラッジコア由来の轟くようなリフとMy Bloody ValentineSlowdiveを彷彿とさせる美しい轟音ノイズ、そして儚げなクリーンボイスが合わさった独自のサウンドで、スラッジ・ゲイザーとも言われている。今作「We Are All Atomic」(ウィー・アー・オール・アトミック)EPは、4トラック収録ではあるが、各々、完結した楽曲ではなく、組曲のような一曲を4つに分けた内容となっている。ジャケットデザインにも通じるサイケデリックな世界観、インテリジェンスを感じさせるヘヴィな音像、甘美で儚げな歌声が一体となり、壮大な世界観を我々に聴かせてくれる。


メンバー

・ Mario Quintero(マリオ・キンテロ) :Vocals/Guitars

・ Saro Quintero(サラ・キンテロ) :Vocals/Bass

・ Chris Enriquez(クリス・エンリケス) :Drums

楽曲紹介

01. Part I

02. Part II

03. Part III

04. Part Ⅳ

#1 逆再生などの加工を加えたギターによるサイケな音像が鳴り響く中、プリミティブなリズムはまるで鼓動のように力強く楽曲のなかで脈打っている。歌声が薄らとしか聴こえないので正直、物足りなさを感じてしまう人もいるかもしれないが、完全に楽器の一つとして考えるとアリである。所々聴こえる雄叫びやどこか冷徹な音像はJesuを彷彿とさせる。

#2 ドゥーミーな音像シューゲイザー的なギターによる音の壁、音量的には薄らとしているが存在感のある絶妙なバランスの歌声など、まさにSpotlightsでしか聴けない不思議な音世界がここにある。

#3 コード感を意識したループするリフ。もう一本のギターフレーズが入ることで一気に曲の世界観が広がりだす。リズムはほぼ一定のパターンのままなのに、様々なバリエーションで聴かせてくれる弦楽器隊の絡みが変幻自在に楽曲を彩る。

#4 Toolにも通じるような一度身を任せてしまえばどこまでもトリップできそうな強烈なグルーヴが感じられる。サイケなウワモノの音色は重ねようと思えばいくらでも重ねられるだろうが、音の配置の仕方にどこか品のようなものを感じさせるスタイリッシュな音像になっている。

ToolDeftonesの様な、勢いだけじゃなく、ある程度時間をかけながら独自の世界観をしっかり聴かせるタイプのラウドなバンドが好きな人には絶対に聴いてほしい。スリーピースバンドとな思えない多層的なバンドサウンドに圧倒されるべし。