Pridelands「Light Bends」(2022)

オーストラリア/メルボルン出身のメタルコア・バンドによるデビューアルバム。


12年から活動を開始し、今年で本格活動10周年。インターナショナルリリースをSharpTone Recordsから、国内リリースはオーストラリアの名門Resist Recordsから行いました。

メタルコアをベースにエレクトロ、ポスト・ハードコア、プログレッシヴ・メタルコア等の要素を飲み込んだサウンドは重く、モダンでスタイリッシュな印象を受けます。平たく言うと、Northlaneのアグレッシブなエレクトロを抑えて、静謐なポスト・ハードコア要素を融合し、歌モノアレンジにシフトしたサウンドといったところでしょうか。彼らの楽曲は、メロディアスな歌を前面に押し出した楽曲が多く、二人のボーカリストが縦横無尽に歌い上げることでスリリングで奥行きのあるサウンドになります。一聴すると少し地味に感じられる部分もあるかもしれませんが、彼らの持ち味は、ヘヴィなジェントリフや、手数の多いフレーズでゴリゴリ聴かせていくのではなく、ミドルテンポで歌を大切にしたドラマチックなサウンドをじっくり聴かせる所です。

冒頭から扇情的はフレーズが緊張を煽り、一気に緊張を高めていく#1を皮切りに、エレクトロなサウンドに合わせてタイトなギターリフが切り込む#2、ストロングなリフパートと浮遊感あるアトモスパートを立体的に使い分ける、どこかDeftones的な#3ときて、ここまでの流れの山場である#4「陽のパワー」で漲ったシンガロング必至の一曲。一転して冒頭から内省的な歌をラジオボイスで歌う、シリアスな#5、Devil Sold His Soulを彷彿とさせる繊細なポスト・ハードコア #6、ヘヴィというより疾走感のあるポスト・ハードコアである#7、オルタナロックを感じさせる無骨でグルーヴィなベースラインが印象的な#8、歌を大事にした起承転結のしっかり計算されたサウンド#9、アンビエントなイントロからリズムが加わり、徐々に動き出す#10、様々なアプローチで楽曲を支えるギターと一本筋の通ったクールなベースラインが魅力的な#11で終わりです。

今作は、Jamie Marinosとバンドによって制作。ミックスは、Loathe、Sleep Token等を手がけるGeorge Leverが、マスタリングはArchitects、Northlane、Periphery等を手がけるErmin Hamidovicが担当しました。

Deftones、Devil Sold His Soul、Invent ,Animate、Loathe、Northlane、Thornhillなど、ドラマチックなサウンドが好きな人に特にオススメしたいアルバムです!!


メンバー

Mason Bunt(メイソン・バント):Vocals

Joshua Cory(ジョシュア・コリイ):Vocals

Liam Fowler (リアム・ファウラー):Guitar

Daniel Lohrey(ダニエル・ローリー):Bass

Joe Lipsham (ジョー・リプシャム):Drums

楽曲紹介

1. I Reach Into Your Heart

2. The Walls

3. Parallel Lines

4. Parted Time

5. The Lake of Twisted Limbs

6. Safer Here

7. Heavy Tongue

8. Antipathy

9. Translucent Blues

10. Evergrowth

11. The Sun Will Find Us