Vein.fm「Old Date in a New Machine, Vol. 1」(2020)

マサチューセッツ州ボストンのカオティック・ハードコアバンドのコンピレーションアルバム。


13年ボストンで結成されたカオティック・ハードコアバンドVein.fm(知らないうちにVeinから改名!!)のコンピレーションアルバム。<Closed Casket Activities>からのリリース。10年代のハードコア界隈を代表する衝撃の名盤「Errorzone」(18)は、地元の先輩でありカオティック・ハードコアシーンを牽引してきたConvergeを始め、Dillinger Escape PlanBotch等の影響をベースに、ニューメタル、メタルコア、デスコアなどのサブジャンルからの影響を貪欲に消化した、暴力性とインテリジェンスが同居した新世代ハードコアサウンド。このアルバムはハードコア界隈に止まらず、エクストリームミュージックの歴史に大きな爪痕を残した。

そんな彼らがLive音源集を挟んでリリースした2年ぶりの作品集「Old Date in a New Machine, Vol. 1」は、EP「Terrors Realm」(14)、名盤「Errorzone」(18)の収録曲のリミックスと16年のデモ音源を納めた内容となっている。ゴリゴリにカオティックなメタリックハードコアな音源を再構築、アンビエント・インダストリアル・テクノ・ノイズロックなど様々な要素が内包された実験的な作品集である。肉体的なハードコアサウンドを無秩序とも言える思い切りの良さで破壊→再構築する手つきはCode Orangeを連想させる。カオティックなメタルコアを奏でるVein.fmが、自分たちの音楽を使って、普段の真逆とも言えるエレクトロな曲に再構築してしまう音楽的なバックボーンの幅広さ、自由さがまさに新世代ならでは!!

Code Orange/Jesus Piece/Knocked Loose/Machine Girlが好きな人、DeftonesSlipknotなどのNu Metalが好きな人、Botch/Converge/Dillinger Escape Planなどのカオティック・ハードコアが好きな人まで、幅広く刺さること間違いなし!!


メンバー

・ Anthony DiDio(アンソニー・ディディオ):Lead Vocal

・ Jeremy Martin(ジェレミー・マーティン):Guitar

・ Josh Butts(ジョシュ・バッツ):Guitar

・ Jon Lhaubouet (ジョン・ラウブエ):Bass、Backing Vocal

・ Matt Wood(マット・ウッド):Drums

・ Benno Levine(ベンノ・レヴィン):Samples

楽曲紹介

01. 20 Seconds : 20 Hours

02. Ripple+

03. Heretic+

04. TR+

05. Broken Glass (Nightstalker Mix)

06. Paincanbetrusted (Rough Mix)

07. Virus://Vibrance (3 Wheel Mix)

08. Doomtech (Crooked Jaw Mix)

09. Old Data In A Dead Machine (Demo 2016)

10. Quiting Infinity (Demo 2016)

11. Untitled (Demo 2016)

#1 DeftonesVein.fmのサイドプロジェクトFleshwaterの世界観に近い独特の憂いを感じさせる一曲。(蛇足だけどFleshwaterめちゃくちゃ良いです!!)アコースティックなアレンジとダウナーなビートが繊細な歌の魅力を浮かび上がらせる。

#2 スラッジコア風の原曲を元に、より現代的なプロダクションで洗練された印象。冷たさがより増幅、容赦のない暴力性が垣間見える一曲。

#3 一聴すると地味な印象だけど実は目まぐるしく展開するとんでもない曲。忙しないドラム捌きやタメの効いたリフ、複数回に渡って落ちていく重ーいビートダウン、セリフのサンプリングや宗教チックなテイストもあり・・・この曲は何回も聴いて味わってほしい。

#4 スラッジコアにも通じる重たさはあるもののフレーズやバンド全体の細かいキメがキャッチーでテンポが良いので聴きやすい。不穏なテイストや絶叫から初期のSlipknotを彷彿とさせる。

#5 空間的なエフェクトを施したリフ〜ジャングル/ドラムンビート!!B級ホラーっぽいサウンドもチラホラ。

#6 筋肉質な轟音ギターリフがグルーヴを引っ張っていく。地を這うようなツーバスやDJスクラッチが楽曲の世界観に花を添える。

#7 フェードインしてくるジャングル/ドラムンビートにひたすらぶち上がる。Enter Shikariやら初期のSlipknotを彷彿とさせる。

#8 原曲のノリは残したまま硬質なビートミュージックに。ブラストビート混じりのカオティックな雰囲気が若干削がれ洗練された印象。

#9 今作収録のデモ版は、若干ダウナーな雰囲気も見え隠れするハードコア。「Errorzone」収録の方は地元のボストンの先輩Convergeカオティック・ハードコア勢の文脈で語れそうな一曲。終盤にジャングルぶち込んでくるあたりのセンスが抜群!!

#10 「Errorzone」収録の方はタイトかつ筋肉質なサウンド。不穏な空気すらインテリジェンスを感じさせるが、今作のデモVerのダウナーでラフな空気もこの時代にしかできない勢いがあって素晴らしい。

#11 カオティック・ハードコア文脈のリフがインパクト大なこの曲。Chino MorenoとJonathan Davisの間を行くような歌が頭から入っていたり、大分コンパクトになっていたりといった違いはあるもののキラーチューンであることには変わりない。

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