The Acacia Strain「Slow Decay」(2020)

2020年7月31日

マサチューセッツ州出身のデスコア/メタルコアバンドの9thアルバム。


恐ろしく獰猛な音を鳴らすマサチューセッツ州出身のデスコア/メタルコアバンドThe Acacia Straim(ジ・アケイシャ・ストレイン)。01年に活動をスタート。幾多のメンバーチェンジを経ながらも、己の凶暴な音と向かい合い磨きをかけながら、着実にファンベースを築き上げてきた。02年のデビューアルバム「…AND LIFE IS VERY LONG」のリリースからほぼ2年に1枚のペースで、レーベルを変えながらも作品を毎回発表し続けてきた。

14年の「COMA WITCH」では、全米アルバム・チャート31位を記録、全米ハードロック・チャートでは1位を記録。フル・アルバムとしては17年の「GRAVELOOM」全米ハードロック・チャートでは8位を記録するなど、いずれもチャート上位に食い込んでいる。

今回は、2月から1ヶ月ごとに2曲入りのシングルという形で新曲をリリース。「D」というタイトルのシングルリリースを皮切りに、現在までに「E」、「C」、「A」と連続でリリース。そして6月に5枚目「Y」をリリースした段階で、今回のアルバムの詳細を発表。シングルのタイトルを繋げると「DECAY」となり、その言葉をタイトルに冠した最新作「SLOW DECAY」(スロー・ディケイ)を7月に発表、というとても変わった手法での発表となった。シングル5枚分10曲に新曲2曲を含む全12曲を収録した「SLOW DECAY」。


メンバー

・ Vincent Bennett(ヴィンセント・ベネット):Vocals

・ Devin Shidaker(デヴィン・シダーカー) :Guitars

・ Tom"The Hammer" Smith, Jr.(トム"ザ・ハンマー"スミス・ジュニア) :Guitars

・ Griffin Landa(グリフィン・ランダ):Bass

・ Kevin Boutot(ケビン・ブート):Drums

楽曲紹介

01. Feed a Pigeon Breed a Rat

02. Crippling Poison

03. Seeing God (feat. Aaron Heard)

04. Solace and Serenity

05. The Lucid Dream (feat. Jess Nyx)

06. I breathed in the smoke deeply it tasted like death and I smiled (feat. Zach Hatfield)

07. Crossgates

08. Inverted Person

09. Chhinnamasta

10. One Thousand Painful Stings (feat. Courtney LaPlante)

11. Birds of Paradise, Birds of Prey

12. EARTH WILL BECOME DEATH

#1 時計の針の音となにやら奇怪なサンプリング音→絞り出すような咆哮とともにまるで銃火器のような凄まじいサウンドを叩きつけてくる。何やら硝煙の匂いが漂ってきそうな危ない雰囲気。怪しげなアルペジオの存在が曲に奥行きを作ります。いやーカッコいい!! 

#2 ヘヴィかつプリミティブなパワーを感じさせる楽曲。展開がシンプルな分バンドの力がもろに試されるアレンジ。

#3 グルーヴ・メタルライクな楽曲。無駄を削ぎ落としたある種、品のようなものすら感じさせるアレンジは最近のLamb of God作品とも通じるものがあると思う。ブレイク時のドラムフレーズとか最高!!

#4  リフでガツガツいくというよりもドゥーミーな印象。Neurosisなんかが好きな人には是非聴いて欲しい!!ダークな音像に壮絶な咆哮が響き渡る。

#5 Mortality Rateの女性VoのJess Nyxが参加。決してテンポは速くないが、次々とリズムアプローチが変化していく為、ダレることなくある種の緊張感を保ったまま突き進んでいく。Jess Nyxがいなければ成り立たない曲。

#6 ドゥームメタルとかポストメタルの類の曲。やはりEarthcrisisとかNeurosisが好きな人にオススメしたい!!ジワジワと迫るノイズは、本来いらないものの筈なのに、時に神々しさを感じるから不思議である。

#7 音的には#6とあまり大差ないが、確実に躍動感が生まれたことは確か。まぁグルグルのたうち回るようなノイズがとにかくかっこいいんだ!!

#8 #7の流れから曲間なく始まる。ドゥーミーでとにかくダークな楽曲。メインとなるギターの印象的なフレーズからは"圧倒的な闇"を感じさせる。

#9 ヘヴィなデスコアサウンドが展開されていく中、中毒性のある不穏なギターフレーズが曲を彩る。なんとなくブラックメタルからの影響を感じるのだけど気のせい??

#10 冒頭の鈍器で殴りにかかるようなバンドサウンドと女性のセリフのサンプリング?の組み合わせがクール。筋肉で握りつぶすようなブルータルなサウンドと、女性Voによる宗教的な雰囲気のパートの組み合わせがさすが!!”ブルータリティの中にある神々しさ”という意味では、Convergeの名盤「Jane Doe」にも通ずるものがある。

#11 恐らくデスコアというより、ポストメタルの領域の曲であろう。メタルというよりシューゲイザーに限りなく近い雰囲気のリフもいくつかある。ISIS、Jesuなどが好きな人には刺さる部分があるかもしれない。どこか冷たい雰囲気が好き。

#12 PanteraやMachineheadのバンド全体で熱くグルーヴさせていサウンドとポストメタルの冷たい雰囲気を融合させたような印象。今までのサウンドからさらにオルタナティブ方面に舵を切った作風。

20年間の活動を締めくくる作品となった今作。今まで培ってきた強靭なバンドサウンドと、混沌とした現在の世相をそのまま切り取ったかのようなドス黒い音像は、デスコア/メタルコアを始め、ポストメタル、シューゲイザー、ノイズミュージックなど様々な音楽を飲み込み、私たちに襲いかかる。