Kill the Lights「The Sinner」(2020)

2020年11月2日

ex-Bullet for My Valentineのドラマーが始動させたメタルコアバンド の1stアルバム。


16年にBullet for My Valentineを脱退したドラマーMichael “Moose"Thomas(マイケル・ムース・トーマス)が始動したメタルコアバンドKill The Lights(キル・ザ・ライツ)。1stアルバムとなる今作「The Sinner」(ザ・シナー)<Fearless Records>からのリリース。

メンバーは、ボーカル:Throw the FightJames Clark(ジェイムズ・クラーク)、ギター:Still RemainsJordan Whelan(ジョーダン・ウィーラン)Threat SignalのTravis Montogomery(トラヴィス・モンゴメリー)、ベースはGlamour of the killDavey Richmond(デイヴィー・リッチモンド)20年に入って脱退。ドラムスはMichael “Moose"Thomas(マイケル・ムース・トーマス)

メタル界のレジェンド、Colin Richardson(コリン・リチャードソン)(Slipknot、Machine Head、Trivium)プロデュースによるサウンドは、10年ほど前のメタルコア全盛期に根差したサウンドを基盤に、攻撃的でありながらメロウな面が同居した、幅広い人にアプローチできるサウンドとなっている!!またBFMVの元ドラマーが始動したバンドということもあり、BFMVをはじめ、ATREYUAVENGED SEVENFOLDTriviumといったバンドが好きな人に特にオススメしたい!!

現在、エクストリームなスタイルが主流となっているメタル/ラウド界隈でここまで王道的な"ヘヴィーメタル"スタイルに臨んでいるバンドも珍しいのではないかと思う。力強く歌い上げるボーカルや華麗な速弾きギターソロ、テクニカルなリズムアプローチで様々な展開を作り出すリズム隊など改めてメタルの魅力に気付かせてくれるアルバムだ。


メンバー

・ James Clark(ジェイムズ・クラーク) :Vocals

・ Jordan Whelan(ジョーダン・ウィーラン) :Guitars

・ Travis Montgomery(トラヴィス・モンゴメリー) :Guitars

・ Davey Richmond(デイヴィー・リッチモンド) :Bass ←20年に入って脱退。

・ Michael “Moose" Thomas(マイケル・ムース・トーマス) :Drums

楽曲紹介

01. Shed My Skin

02. The Faceless

03. Watch You Fall

04. Through The Night

05. Open Your Eyes

06. Plagues

07. Tear Me Apart

08. The Enemy

09. Sober

10. Rest

#1 アグレッション全開で冒頭から一気に畳み掛ける!!静/動のコントラストが印象的なミドル曲。強烈な咆哮とキャッチーな歌メロがお互いに引き立て合い、より立体的な楽曲に。様式美が光るギターソロが楽曲の世界観をより広げてくれる。

#2 オールドスクールな香りがするスラッシーなリフから流麗なギターソロへ!!全体的にNWOBHMからの影響が垣間見える。様々に展開する楽曲は、元々メタルが持っていた「構築美の魅力」に改めて気づかせてくれる楽曲。

#3 ボトム低めでドライブしていく、所謂グルーヴメタル的なリフはPanteraやLamb of Godを想起させる。絡みつくようなヘヴィなリフと、突き抜けるような太く伸びやかな歌声が楽曲の世界観を何倍にも大きくしてくれる。

#4 ブルージーな音色が色濃く、曲中、楽曲とともに歌の熱も徐々に高まっていく様がとにかくエモい!!Alter BridgeNickelBackなどのメロウなヘヴィロックが好きな人にお勧めしたい!!

#5 冒頭のスタッカートが効いたヘヴィなギターリフが印象的。Panteraあたりを想起させる動きのある低音弦リフは、歌を支えながらも曲のドライブ感もしっかり維持している。リフのカッコよさを体感したかったらこの曲は聴くべし!!

#6 英雄感漲る冒頭から徐々に熱が帯びてくるエモい過程を経て、開放感あるサビに至る流れがとにかく見事!!サビのメロディもとにかくキャッチー。マーチングドラムのフレーズが印象的。映画的な楽曲!!

#7 メロウなバラードナンバー。ツインリードギターによる天を駆け上がるようなソロは一聴の価値アリ!! 

#8 どことなくTriviumを感じる#8。アグレッション全開のスラッシーなギターリフがとにかくカッコいい。起承転結のある曲展開の中で良質な歌メロとメタルコアの攻撃性が完全に同居しているこの曲。最高でしかない!!

#9 Clarkが自身の抱える病や不安について歌う#9はこのアルバムのハイライトだろう。渋くも熱いリードギターが切り込み、そのままツインリードへ。ヘヴィなリフと一気に世界が開けるサビパートとのコントラストは、曲に深みを与え、且つ力強い希望を感じ取ることができる!

#10 雄大なバラードナンバー。ピアノのフレーズと浮遊感のあるギターによるミュート奏法がコード感をしっかり出しながらも楽曲全体の雰囲気を決定づける素晴らしい働きをしている。壮大でありながらスタイリッシュな印象を受ける奥深い一曲。

#11 もう冒頭のハウリングから拳を上げざるを得ない・・・これはLiveで観たい一曲!!疾走感のあるメタルコアリフが爆発!!これもまた#5同様、動きのあるヘヴィなリフの魅力が思う存分体感できる楽曲。とにかく冒頭の箇所をはじめ、Liveを想定したアレンジ満載なので拳を上げて聴くも良し、布団に潜り込んで妄想に浸って聴くも良しだ!!

攻撃的でありながら緻密に練り上げられたバンドサウンドと伸びやかに響き渡るメロディックな歌がクセになる!!このバンドをきっかけにNWOBHMのバンドを遡って聞いてみるのもアリだ!!