Dealer「Saint」EP(2020)

2020年11月2日

オーストラリア出身のニューメタルコアバンドの2ndEP。


18年、Dealer(ディーラー)は、ex-Alpha WolfのボーカリストAidan Ellaz(アイダン・エラズ)を中心に、ex-Northlaneのベーシスト、Alex Milovic(アレックス・ミロヴィッチ)ex-Capture The CrownのドラマーJoe Abikhair(ジョー・アビケアー)ex-ICONOCLASTのギタリストDavid Wilder(デヴィッド・ワイルダー)ex-CODEIN KINGのギタリストJosh Ang(ジョシュ・アング)らにより結成。

19年に、AttilaののフロントマンFranzが主宰するレーベル<Stay Sick Recordings>からデビューEP「SOUL BURN」をリリース。

今作「Saint」(セイント)は、2作目のEPでサプライズ的に<Stay Sick Recordings>からリリース。基本的には前作の延長線の音楽性だが、よりニューメタルの要素が濃くなっているように感じた。(詳しくは下の楽曲紹介で!!)轟く重低音リフと何段階にも渡って落とす極悪ブレイクダウンを特徴とするモダンなメタルコア/デスコアスタイルと、90年代後半〜00年代前半あたりのニューメタルのエッセンスを融合させた、イケイケなニューメタルコアサウンドで思う存分ヘイトをぶち撒ける。

Aidan Ellazが以前、所属していたバンドAlpha Wolf。Aidan Ellazがゲスト参加したこともあるDead Crown。Dealer同様、ボーカリストの個性が強いニューメタルコアバンドEmmure、バンド以外の音まで視野を広げれば、”エレクトロな音によるカオティックな世界観”という部分でMachine Girlなどを同時にオススメしたい。


メンバー

・ Aidan Ellaz(アイダン・エラズ) :Vocals

・ David Wilder(デヴィッド・ワイルダー) :Guitars

・ Josh Ang(ジョシュ・アング) :Guitars

・ Gabor Toth(ガボール・トス) :Bass

・ Joe Abikhair(ジョー・アビケアー) :Drums

楽曲紹介

01. Tourniquet

02. Blade in a Bullet Wound

03. Violent Stimuli

04. Suffer In Rhythm

#1 イケイケな同期物とデスコアライクなサウンドが渾然一体となって襲いかかってくる。超重低音!!ローの効き方がどちらかというとメタルというよりクラブミュージックに近い気がするが気のせいだろうか?巧みなリズム展開は、最後まで緊張感を維持し、聴く者の注意を引っ張る。

#2 スロウかつヘヴィなバンドサウンドからテンポチェンジを経てのキレッキレの不協和音が印象的なブレイクダウン!!バウンス気味なノリはやはりニューメタルからの影響を思わせる。アグレッション全開のバンドサウンドと何段階にも落としていく極悪ブレイクダウンが作用し合い、より立体的な楽曲となっている。

#3 ドラムンベース的イントロの入りは、どうしてもSlipknotの「Eyeless」を思い出してしまう。やっぱり影響受けてるかな・・・??受けてて欲しいな!!みんな好きでしょSlipknot!!途中またドラムンが入ってくるんだけど基本的には、唐突なブラストビートや極悪ブレイクダウンが入り乱れる結構カオティックな印象。音がオラついとるなぁ!!好きだな!!オラつきニューメタルコア  !!

#4 曲間なく放たれる爆速ナンバー。ギターによる音の壁がなんとも心地よい。いったん落としてからさらに加速するバンドサウンドはもう誰にも止められない。緩急を自在に使い分けながら一定の緊張感を維持させ、突き進んでいく。強烈な音の塊と咆哮の末、行き着くところまで行ったら最後、揺蕩う歌声は優しくもどこか悲しげな印象を受けた。

とここにきてDealerボーカル以外のメンバーがどうやらバンドからの脱退を発表したようだ。そしてしれっと結成メンバーのex-NorthlaneのベーシストAlex Milovic(アレックス・ミロヴィッチ)氏も既に脱退済み。(今回のEPは不参加)詳しくは→https://wallofsoundau.com/2020/06/22/dealer-looks-dead-after-members-announce-departures/(英語のサイトです)具体的な脱退理由はまだ公表されておらず、なんとも言えないけれど・・・正直かなり残念。・・・うーんできれば続けて欲しいけれど・・・まぁ続報を待ちましょ。