Portrayal of Guilt「We Are Always Alone」(2021)

USテキサス/オースティンを拠点に活動するエモ/ポストハードコアバンドの2ndアルバム。

アートワークは"スクリーモのパイオニア的存在"pg.99のChris Taylorが担当!!

17年結成、USテキサス/オースティンを拠点に活動するポストハードコアバンドPortrayal of Guilt(ポートレイアル・オブ・ギルト)2ndアルバム「We Are Always Alone」。フルレングスアルバムとしては、デビューアルバム「Let Pein Be Your Guide」(18)以来、約3年ぶり。<Closed Casket Activities>からのリリース。

Pg.99、City of Caterpillarといったバンドからの影響が感じられるダークなエモ/ハードコアを基盤としながら、作品を重ねるごとにポストハードコア/カオティックハードコア/ブラックメタル/デスメタル/シューゲイザー等々を飲み込んだ冷たくダークな作風へ傾倒。今作は、さらに進化/深化、前作「Let Pein Be Your Guide」の流れを組みながら、より退廃的な色合いが濃くなっている。不穏な効果音や、シアトリカルな雰囲気など、まるでシリアスなホラー映画を見ているような世界観が繰り広げられている。エクストリームでラウドな音像に、ニューウェーブ/ゴス由来の浮遊感のある世界観を混ぜ込んだ静と動の絶妙なバランスが、奥行きのある世界観を作り出している。

プロデュース/レコーディング/ミキシングは、Phillip OdomマスタリングはWill Yip。ブリブリの重低音ベースの存在感が増し、スラッジ/ドゥームを彷彿とさせる禍々しいグルーヴを作り出している。

MVとしてショートホラーフィルムが流れる。若干エグいので要注意!!

メンバー

・ Matt King(マット・キング)Vocal/Guitar

・ Blake Given(ブレイク・ギブン):Bass

・ James Beveridge(ジェームズ・べヴェリッジ):Drums

楽曲紹介

01. The Second Coming (feat. Chris Taylor)

02. Anesthetized

03.  A Tempting Pain

04. It’s Already Over

05. Masochistic Oath

06. They Want Us All to Suffer

07. Garden of Despair (feat. Matt Michel)

08.  My Immolation

09. We Are Always Alone

#01 冒頭からカオティックな演奏と喰らい付くようなMatt King(マット・キング)の激烈ボーカルワークが一気に襲いかかる。オルタナメランコリーパートをさらっと挟み、何かを擦ったり、落としたりしたようなサンプリング音が流れる。Pg.99から Chris Taylor(Vo)が参加。エモーショナルな声が響き渡る。

#02 重く引きずるような演奏から、怪しげなギターフレーズを絡み、一気に爆発!!蠢くベースサウンドと不穏なアンビエントが鳴り響くまるでホラー映画のサントラのような展開に。

#03 疾走感のあるドラミング、トレモロギター、金切声などブラックメタル由来のサウンド。後半はやはりホラー映画のサントラのようなダークなアンビエント。

#04 ジメジメした不気味な湿り気を感じさせるギターのフレーズにリズム隊が輪郭を加えることで一気に異界へ誘われる。吹き荒ぶ風の音などホラー映画的アレンジが随所にあり、世界観への強い拘りが感じられる。 

#05 ニューウェーブ的なサウンドから殺傷力たっぷりのブラックメタルパートへ。ギターなのか?シンセなのか?まるでガラスが割れる様な破壊的なエフェクトが耳に残る。ブルータルな音像でありながら耽美的なパートがサラッと挿入されていたりと、シアトリカルなアレンジが心地よい。

#06 殺傷力全開のブラックメタルナンバーでありながら彼らのフィルターを通すことで不思議と物語性が感じられる楽曲に。いい意味でキャッチーな曲。

#07 轟くベース音と底冷えする様な声が響く。息つかせる暇なく激烈なブラストビートが叩き込まれ、やがて静けさが再び訪れる。遅めなブルータルパートから徐々に狂気じみた勢いに。弦楽器を擦り上げるようなイヤ〜な音が延々木霊する。ホラー感がすごい!Majority RuleのMatt Michel(Vo)が参加。

#08 グルーヴィーな漆黒のヘヴィネスからブラックメタル由来の疾走パートへ。ゴス方面のポストパンク勢とも呼応するような退廃的な雰囲気へガラッとかわる。物語性を感じさせる一曲。

#09 曲間なく畳み掛けてくるブラックゲイザー由来の音の壁と哀しげなアルペジオパートの対比が印象的。アルバムの締めとして相応しい一曲。