Drahla「Useless Coodinates」(2019)
UKリーズのポストパンクバンドのデビューアルバム。

19年5月にDrahla(ドラーラ)のデビューアルバム「Useless Coordinates」がCaptured Tracksからリリースされた。同レーベルのオーナーMike Sniperが一目惚れし、即座に契約に持ち込んだ(!)と言う逸話もある。
彼らは元々、VocalのLuciel Brown(ルシール・ブラウン)とBassのRob Riggs(ロブ・リグス)のベッドルーム・プロジェクトとしてサウス・ロンドンでスタート。後にDrumsのMike Ainsley(ロブ・リグス)が加入し、彼らの地元、リーズに拠点を移し今に至るそうだ。
IDLESやSHAMEに続く新たな逸材としてオーナーMike Sniperが惚れ込んだサウンドは、SAVAGESのようなダークなポストパンク 、Sonic Youthのノイジーなサウンド、Gang Of FourなどのUKポスト・パンク、USノー・ウェーブの音を現代の解釈で再現したような音が特徴だ。
彼らの活躍は以前から話題になっており、08年末に「A COMPACT DISC」というシングルトラックとB面曲をほぼ全てコンパイルした日本独自編集盤が先に発売された。
このバンドの大きな特徴である、サックスが入ることでNo New Yorkを感じさせるノー・ウェーブスタイルは、危なっかしい匂いプンプンでたまらない!
メンバー
・Luciel Brown(ルシール・ブラウン):Vocal、Guitar
・Rob Riggs(ロブ・リグス):Bass、Cho
・Mike Ainsley(マイク・アンスレー):Drums、Cho
参加ミュージシャン
・Chris Duffin(クリス・ダフィン) :Sax
楽曲紹介
01. Gilded Cloud
02. Serenity
03. Pyramid Estate
04. Stimulus for Living
05. React /Revolt
06. Primitive Rhythm
07. Serotonin Level
08. Twelve Divisions of the Day
09. Unwound
10. Invisible Sex
#1 ギターとベースが緊張感あるハーモニーを鳴らす一曲目。ポストハードコア的なギターが情景を描き出す。女性Voとポストパンクの組み合わせはいつも最高だ!!
#2 怪しげなアルペジオぉぉぉ!←この時点でぶち上がりです!!ブンブン突き上げてくるベースリフ。男女Voによるハーモニーが最高にクール!若干Gang Of Fourを感じさせる荒々しいギター、サックスの音も入り、スタート早々危なっかしい匂い!
#3 ベースがグイグイ引っ張っていく曲。サックスがゴリゴリ前面に出てくる。切っ先鋭いギターのカッティングが冷たく突き刺さる。
#4 ベースとギターによるフレーズが組み合わさり独特な曲に。打楽器的に使われるギターによるカッティングが木魚のような音で(!)曲に面白いアクセントを加えていく。
#5 Black Sabathのような暗黒ベースの上をひたすらサックスが鳴り狂い、途中から曲全体が疾走し出す。サックス大活躍で、とにかくUSノー・ウェーブ感!James Chance感!が最高な曲。意外に曲展開が凝っているのも面白い。
#6 ループするベースリフとGang Of FourのAndy Gillみのある荒々しいカッティングフレーズについつい拳を握ってしまう。曲全体のテンションが低めなのでAndy Gillみのあるギターがより際立つ。
#7 とにかくベースがカッコいい!!これぞパンク!!ギターの情景を描くギターカッティングもさすが!!可愛らしい歌声と曲の組み合わせがなんとも絶妙!
#8 強烈なベースリフから始まる。低体温気味の男女ボーカルがクール。場面によって、アルペジオでコード感をだしたり、切れ味あるストロークで迫ったり、ノイズをぶち撒けたりと幅広いギターアプローチが楽しめる。
#9 ここにきて分かった!メロディアスながらどこか空虚感を感じるギターフレーズ、男女Voと絶妙なメロディライン、危うい空気感に日本のバンド44th musicと通じるものを感じる!!とにかく好きだ!!私の好きなオルタナ成分詰め合わせ!
#10 ギターの不協和音をさらっと織り交ぜたコード感がなんとも絶妙でかっこいい。ガァァーと弾き切ったかと思うとドラムと交互に音を鳴らすなど、決して一辺倒にはならならず、曲の流れをうまく作っていく。急に差し込まれる、若干“和"を感じさせるギターフレーズが面白い。
オルタナティブ・ロックのカッコいいところ全部乗せ感のあるDrahla。様々なオルタナ先輩ミュージシャンの影響を、自分たちのセンスでまとめ上げ、新しい文脈を作っていこうとしている彼ら。MVやアートワーク、彼らの見た目も含め、とにかくカッコいいのでこれからの活動も逐一チェックしていきたい。
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