No Mono「Islands part2」(2019)
オーストラリア/アリススプリングス出身のエレクトロポップデュオの2ndアルバム。
LowlakesのTom Snowdon(トム・スノードン)とBig Scary、#1Dads等のTom lansek(トム・ランセック)の2人によるサイドプロジェクト。全ての曲の作曲、演奏、録音を2人で行なっている。
前作「Islands part1」はどちらかといえば、内省的な音楽性だったが、今回の作品は、よりビートの効いた、ノリやすい内容で、彼らのもつ熱がより全面にでた形だ。
と、彼らに関する情報はほとんどないのですが、、テクノ、ハウス、HipHop、ポストダブステップ、トリップホップなどを内包。全体的にダークな音楽性だが、エフェクトをかけたソウルフルな歌声は心地良く、また、生楽器によるブルージーなフレーズからは大人の渋みのようなものを感じた。
FKA twigsやJames Blake、The xxが好きな人は是非聴いてほしい。
メンバー
・Tom Snowdon(トム・スノードン)ーVocal、Guitar、Synthesizers
・Tom lansek(トム・ランセック)ー上に同じ
楽曲紹介
1.//Heavy State
2.Blaze
3.Black Light
4.Blood Red
5.//No Man
6.City Gets Better
7.Keep On
8.Atlas
9.Cold Freight
10.Fever Highs
11.Rear View
断続的に響く低音が緊張感を煽り、不穏な空間が徐々に広がる#1からこのアルバムは始まる。彼らの音は映像的である。続いて#2は、ポストダブステップ的なサウンド。特徴的なキック連打と弦楽器によるループフレーズは静かに燃える荒廃した未来都市をイメージさせる(ブレードランナー的な)温かみのある音が心地良い。#3を始めとするソウルフルな歌声による歌ものが多いのもこのグループの特徴。きっちりと歌メロはありつつもエフェクトをかませているため、楽器の一つとしても機能。ダークでありつつ低音が強調された歌声はどこかジェンダレスな印象を受ける。レトロな質感のある#6は淡々としたリズムと揺らぎのあるシンセの音色の組み合わせが面白い。なんとなくThe Cureあたりのコード進行を彷彿とさせる。ブルージーなギターが渋く彩る#7はダークな質感のハウスミュージック、思わず踊り出したくなるリズミカルなドラムが印象的な#8は静と動の詫びさびの効いたベースがとにかくかっこいい!#9は徐々にフェードインしてくるドラムとメランコリックなピアノが印象的。 ソウルフルな歌を前面に押し出したアレンジや単音のギターの音色が曲に色を添える。ワイルドで怪しげなトラックの上でラップと歌が乗った#10,アーバンなキーボードのフレーズがループしていく。No Monoらしい不穏さを伴ったダークなネオソウルとでも言おうか、、ひたすら心地よい楽曲。夜の街を車で流しながら聴きたい曲!
メンバーのTom lansekは、Big Scary、#1 Dads、本名での活動も含め非常に幅広い音楽ジャンルの活動をしていてどれもかっこいいので、今後もNo Monoを始め、各々のメンバー周りの活動もチェックしていきたいと思う。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません